ツィゴイネルワイゼン
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覆水とかけまして、帰省自粛と解きます。その心は「盆に返らず(帰らず)」でしょう。
こんにちは✨満光亭しずかです🍉
コロナが五類引き下げになり、お盆に帰省する人々の姿が風物詩として戻ってきましたね。
日本の気候も四季ではなく二季になりつつありますが、日本人が古来から大切にしてきた季節の風物詩が途切れないよう、繋いでいきたいものです。
季節感が色濃く表れている映画は多々ありますが、お盆の時期に観返したくなる作品の一つが
「ツィゴイネルワイゼン」。
内田百閒「サラサーテの盤」を軸に、いくつかの短編のエッセンスを絡めて映画にしたものです。
鈴木清順は独特の映像美で知られる監督ですが、百鬼園とは相性が良いですね。
日本の幽玄の美が凝縮されていて、何度観てもうっとりします。
百鬼園の作風自体が、夢と現、彼岸と此岸、獣と人、死者と生者、エロスとタナトスの間(あわい)を縫うような筆致で綴られているのですが、それが見事に可視化されています。
文体や作家性は違いますが、川上弘美作品にも、百鬼園の作品に通じる「こちらとあちらの間にだけ漂う、自分の輪郭が溶けてしまいそうな温度」が流れていると感じます。
川上弘美の「神様」、鈴木清順で映画化してほしかったなぁ。清順先生、お盆だけでも、此岸で映画撮ってくれないかな。
送り盆も終え、ご先祖様のお見送りも無事済んだことですし、生きているワタクシは、来週あたりから、ハートムーン帰還します。
百鬼園先生もノラを抱いて、彼岸に帰られた頃でしょうか(※1)。
精霊馬とかけまして、匁の大きい弓と解きます。その心は「帰り(返り)が遅い」でしょう。
それでは、お後がよろしいようで。
(※1 大の愛猫家だった百鬼園は、飼い猫のノラが失踪したことをひどく嘆き悲しみ、その様子は内田百閒集成「ノラや」に詳しい)
こんにちは✨満光亭しずかです🍉
コロナが五類引き下げになり、お盆に帰省する人々の姿が風物詩として戻ってきましたね。
日本の気候も四季ではなく二季になりつつありますが、日本人が古来から大切にしてきた季節の風物詩が途切れないよう、繋いでいきたいものです。
季節感が色濃く表れている映画は多々ありますが、お盆の時期に観返したくなる作品の一つが
「ツィゴイネルワイゼン」。
内田百閒「サラサーテの盤」を軸に、いくつかの短編のエッセンスを絡めて映画にしたものです。
鈴木清順は独特の映像美で知られる監督ですが、百鬼園とは相性が良いですね。
日本の幽玄の美が凝縮されていて、何度観てもうっとりします。
百鬼園の作風自体が、夢と現、彼岸と此岸、獣と人、死者と生者、エロスとタナトスの間(あわい)を縫うような筆致で綴られているのですが、それが見事に可視化されています。
文体や作家性は違いますが、川上弘美作品にも、百鬼園の作品に通じる「こちらとあちらの間にだけ漂う、自分の輪郭が溶けてしまいそうな温度」が流れていると感じます。
川上弘美の「神様」、鈴木清順で映画化してほしかったなぁ。清順先生、お盆だけでも、此岸で映画撮ってくれないかな。
送り盆も終え、ご先祖様のお見送りも無事済んだことですし、生きているワタクシは、来週あたりから、ハートムーン帰還します。
百鬼園先生もノラを抱いて、彼岸に帰られた頃でしょうか(※1)。
精霊馬とかけまして、匁の大きい弓と解きます。その心は「帰り(返り)が遅い」でしょう。
それでは、お後がよろしいようで。
(※1 大の愛猫家だった百鬼園は、飼い猫のノラが失踪したことをひどく嘆き悲しみ、その様子は内田百閒集成「ノラや」に詳しい)