シズカンヌ映画祭 オールタイムベスト10⑦
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こんばんは✨シズカです🎥
本日も一緒に過ごして下さった皆さん、ありがとうございました🤗💕
ワタクシが偏愛してやまない作品について不定期に語る、シズカンヌ映画祭。久しぶりにオールタイムベストやるよ。
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「いい映画の定義って何だろう」と、たまに考えるのですが、現時点での私の答えは
・自分の人生観に影響を及ぼしてくれる
・観た後に現実を生きていく力になる
です。
「作家の全集を読むと、その作家が自分の守護霊になる」と言う考え方、私は大好きなのですが、自分の人生で得た分の経験値だけでは乗り越えられない物事に直面しても、その作家から学んだ知識見識が助けてくれることがある。
それはまるで、背後に立つ霊が自分を守ってくれているように。Devil, Stand behind me.
映画も同様。
あたしの背後には、敬愛するフィルム・メイカーたちが憑いていてくれるのだ(存命中の監督に関しては生霊)、と思えば、生きていくのに心強い。
🏆️シズカンヌ映画祭オールタイムベスト10🏆️
🎥⑦「フォレスト・ガンプ」
トム・ハンクス演じる主人公、フォレスト・ガンプは、平均より知能が低く、脚装具を付けないと歩けない。愛情深く、達観した母親と二人で暮らしています。
余談ですが、トム・ハンクスは「数奇な運命に翻弄される男」の役がしっくりくるよな。無人島に漂着したり、クーデターのせいで空港で暮らすことになったり、難儀よな。
閑話休題。
世界一有名なビーグル犬は「配られたカードで勝負するしかないのさ」と言っていますが、ガンプは、配られたカードが不利か有利かで言ったら断然不利なスタートを切っています。
配られるカードは選べない。でも、カードをどう使うか、どこで使うか、は選べる。
そして、ガンプは、手持ちのカードの使い方がエラい上手だった、という物語です。
「フォレスト・ガンプ」の有名な台詞が
「人生はチョコレートの箱のようなものだ。開けるまで何が出てくるか誰にもわからない」
です。
カードも使い方次第では、戦局のどこで活きてくるかわからないし、歩も打ち方によっては金に成るし、王手をかけることもできる。
配られたカードは有利じゃなくても、有効利用していけば、人生が良い方に転がる可能性が広がるよ、という物語です。
そして、ガンプと対象的に描かれるのが、ベトナム戦争時のガンプの上官、ダン小隊長。
彼は、手持ちのカードは有利だし、「もう一度生きるチャンス」と言うリトライ・カードも配られたのに、失ったこと・成し得なかったこと、つまりは「配られなかったカード」に捕らわれて、自暴自棄になっていきます。
彼は、ガンプに命を救われるものの、両脚を失い、「英雄である先祖たちのように死にきれなかったこと」でアイデンティティを失い、ガンプの人生に時々現れては、恨み辛み妬みの罵詈雑言を吐きかけて去っていくような人間になってしまいます。
けれど、そんなダンも、ガンプのエビ漁事業に協力するようになり、ようやく「命を救ってくれてありがとう」と、人生をもう一度与えてもらったことを、両脚を失った状態で生きていかざるを得なくなった自分を肯定できるようになります。
それを指してガンプが「ダン小隊長は神様と仲直りしたんだ」と言うシーンが、私はとても好き。
「神様と仲直りした」と言うのは、この世の理不尽や不条理に折り合いをつけ、手持ちのカードで戦っていくために腹を括る覚悟ができた、と言う意味だと解釈しています。
神様が掬うのは信じる者の足元だけだし、信じて体重を預けた分だけ落下した時のダメージは大きい。
でも、そんな神様とうまくやっていくコツを得たなら、受け身を上手に取れるようになったら、人生はそこそこ楽しい。
私は、神様と仲直りがしたくなった時は「フォレスト・ガンプ」を観るようにしてる。そうする度に、ガンプがチョコレートを一粒、私に分け与えてくれているような気になる。
フォレスト・ガンプの「ガンプ(gump) 」は「愚か者」を意味するアラバマ州の方言です。
タロットカードの始まりのカードは愚者。
何も持っていないからこそ何にも縛られない存在。何者でもないからこそ何にでもなれる存在。無限の可能性を暗示するカードです。
タロットカードは、一枚のカードでも正位置・逆位置で意味合いが真逆になります。
「手持ちのカードが少ないこと」は「選択肢が少なくなること」と捉えられがちですが、実は「選択肢が無限にあること」と解釈することもできます。
そうよな。確かに、何も持っていないほうが、そのぶん、これから手に持てるものが増えるよな。
「フォレスト・ガンプ」の監督ロバート・ゼメキスは「みんな大好き『バック・トゥ・ザ・フューチャー』撮った人やで」と言えば、皆さんピンと来るかと思います。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」をはじめ、80〜90年代の娯楽映画って、今ほど技術的には使えるカードに恵まれていないにも関わらず、そこを演出やアイデアで補って余りあるから、「一回観たら忘れないシーン」がとても多い。
これもまた「手持ちのカードでどれだけ創意工夫できるか」から生まれたアイデアの勝利だと思います。
さらに「フォレスト・ガンプ」は音楽もいいんだ。
ジミヘン、ボブ・ディラン、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル、ドアーズ、ザ・バーズ、バッファロー・スプリングフィールドetc.
ロック・ファンとしてもニクい選曲ばかりなんだよね。
本日も一緒に過ごして下さった皆さん、ありがとうございました🤗💕
ワタクシが偏愛してやまない作品について不定期に語る、シズカンヌ映画祭。久しぶりにオールタイムベストやるよ。
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「いい映画の定義って何だろう」と、たまに考えるのですが、現時点での私の答えは
・自分の人生観に影響を及ぼしてくれる
・観た後に現実を生きていく力になる
です。
「作家の全集を読むと、その作家が自分の守護霊になる」と言う考え方、私は大好きなのですが、自分の人生で得た分の経験値だけでは乗り越えられない物事に直面しても、その作家から学んだ知識見識が助けてくれることがある。
それはまるで、背後に立つ霊が自分を守ってくれているように。Devil, Stand behind me.
映画も同様。
あたしの背後には、敬愛するフィルム・メイカーたちが憑いていてくれるのだ(存命中の監督に関しては生霊)、と思えば、生きていくのに心強い。
🏆️シズカンヌ映画祭オールタイムベスト10🏆️
🎥⑦「フォレスト・ガンプ」
トム・ハンクス演じる主人公、フォレスト・ガンプは、平均より知能が低く、脚装具を付けないと歩けない。愛情深く、達観した母親と二人で暮らしています。
余談ですが、トム・ハンクスは「数奇な運命に翻弄される男」の役がしっくりくるよな。無人島に漂着したり、クーデターのせいで空港で暮らすことになったり、難儀よな。
閑話休題。
世界一有名なビーグル犬は「配られたカードで勝負するしかないのさ」と言っていますが、ガンプは、配られたカードが不利か有利かで言ったら断然不利なスタートを切っています。
配られるカードは選べない。でも、カードをどう使うか、どこで使うか、は選べる。
そして、ガンプは、手持ちのカードの使い方がエラい上手だった、という物語です。
「フォレスト・ガンプ」の有名な台詞が
「人生はチョコレートの箱のようなものだ。開けるまで何が出てくるか誰にもわからない」
です。
カードも使い方次第では、戦局のどこで活きてくるかわからないし、歩も打ち方によっては金に成るし、王手をかけることもできる。
配られたカードは有利じゃなくても、有効利用していけば、人生が良い方に転がる可能性が広がるよ、という物語です。
そして、ガンプと対象的に描かれるのが、ベトナム戦争時のガンプの上官、ダン小隊長。
彼は、手持ちのカードは有利だし、「もう一度生きるチャンス」と言うリトライ・カードも配られたのに、失ったこと・成し得なかったこと、つまりは「配られなかったカード」に捕らわれて、自暴自棄になっていきます。
彼は、ガンプに命を救われるものの、両脚を失い、「英雄である先祖たちのように死にきれなかったこと」でアイデンティティを失い、ガンプの人生に時々現れては、恨み辛み妬みの罵詈雑言を吐きかけて去っていくような人間になってしまいます。
けれど、そんなダンも、ガンプのエビ漁事業に協力するようになり、ようやく「命を救ってくれてありがとう」と、人生をもう一度与えてもらったことを、両脚を失った状態で生きていかざるを得なくなった自分を肯定できるようになります。
それを指してガンプが「ダン小隊長は神様と仲直りしたんだ」と言うシーンが、私はとても好き。
「神様と仲直りした」と言うのは、この世の理不尽や不条理に折り合いをつけ、手持ちのカードで戦っていくために腹を括る覚悟ができた、と言う意味だと解釈しています。
神様が掬うのは信じる者の足元だけだし、信じて体重を預けた分だけ落下した時のダメージは大きい。
でも、そんな神様とうまくやっていくコツを得たなら、受け身を上手に取れるようになったら、人生はそこそこ楽しい。
私は、神様と仲直りがしたくなった時は「フォレスト・ガンプ」を観るようにしてる。そうする度に、ガンプがチョコレートを一粒、私に分け与えてくれているような気になる。
フォレスト・ガンプの「ガンプ(gump) 」は「愚か者」を意味するアラバマ州の方言です。
タロットカードの始まりのカードは愚者。
何も持っていないからこそ何にも縛られない存在。何者でもないからこそ何にでもなれる存在。無限の可能性を暗示するカードです。
タロットカードは、一枚のカードでも正位置・逆位置で意味合いが真逆になります。
「手持ちのカードが少ないこと」は「選択肢が少なくなること」と捉えられがちですが、実は「選択肢が無限にあること」と解釈することもできます。
そうよな。確かに、何も持っていないほうが、そのぶん、これから手に持てるものが増えるよな。
「フォレスト・ガンプ」の監督ロバート・ゼメキスは「みんな大好き『バック・トゥ・ザ・フューチャー』撮った人やで」と言えば、皆さんピンと来るかと思います。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」をはじめ、80〜90年代の娯楽映画って、今ほど技術的には使えるカードに恵まれていないにも関わらず、そこを演出やアイデアで補って余りあるから、「一回観たら忘れないシーン」がとても多い。
これもまた「手持ちのカードでどれだけ創意工夫できるか」から生まれたアイデアの勝利だと思います。
さらに「フォレスト・ガンプ」は音楽もいいんだ。
ジミヘン、ボブ・ディラン、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル、ドアーズ、ザ・バーズ、バッファロー・スプリングフィールドetc.
ロック・ファンとしてもニクい選曲ばかりなんだよね。