ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ
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こんばんは✨️シズカです🎥
和製「パルプ・フィクション」だと勝手に思っている「ベイビーわるきゅーれ」。大好きなシリーズです。
ローファイな無駄話パートと、容赦ないバイオレンス・アクションのメリハリが、まんま、タランティーノなのよ。
ベビわる、タランティーノに見せてあげたい。絶対好きだろ、ベビわる。
↓以下、公開中の最新作「ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ」の感想。
🔫個性豊かな新キャラが続々登場していて楽しい。
特筆すべきは冬村かえで。シリーズの主人公、殺し屋コンビのちさと&まひろが所属する組織とは競合関係にある殺し屋です。
冬村の人物造形が完成した時点で、ベビわる3作目は成功が約束された、とすら思う。
ひたすらストイックに殺しを遂行する純粋培養の殺し屋。殺し屋稼業を通じてしか他者と接点が保てない、クセのあるキャラを池松壮亮が好演しています。
🔫冬村が「殺しをした後、歯を磨いたり、果物を剥いたりしていると、自分が人間だってことを思い出せる」と吐露するシーン。
殺しばかりの毎日の中にあっても人間性を失いたくない。ちさと&まひろみたいに凡庸な日常を謳歌してみたかった。という切ない告白に聞こえますが。
一方で彼は、仕事がスムーズに運ばなかった際には「ターゲットを無駄に怖がらせてしまった。美しくない殺しだった」と反省しています。
「人間性を忘れ得ぬこと」が「美しい仕事をするために、市井の人間の感情の機微を少しでも理解したいから」だったらヤベー奴(プロフェッショナル)だよなぁ。
🔫冬村が仕事の記録と並行して「シチューを作った」と、日記に綴っているところが良かった。
「パルプ・フィクション」で一番好きなシーンと同じ匂いがする。
サミュエル・L・ジャクソンとジョン・トラボルタ演じる殺し屋二人が、ハンバーガーについて話す「ル・ビックマック」のシーンが、私は一番好き。サイコーにくだらなくて大好きなの。
だから、このル・ビックマックの下りが地上波放送でカットされていた時には、シズカは激怒した。必ず、某テレビ局の邪智暴虐を除かなければならぬと決意した。
シズカには放送規範がわからぬ。本編を削ってでもスポンサーのCMを挟まねばならぬ大人の事情がわからぬ。
シズカは、北の田舎の風俗嬢である。笛を吹き、猫と遊んで暮して来た。けれども洋画の地上波放送時のカット部分に対しては、人一倍に敏感であった。
「無闇なカットは物語の行間を殺します。」
「なぜ殺すのだ。」
「物語の本筋と関係ないから、という理由でカットするというのですが、本筋と関係のない無駄話こそが、タランティーノ映画のスパイス。
それをなくしては、山椒のない鰻重、刻みネギのない蕎麦、タルタルソースのない海老フライ、醤油のない卵かけご飯、瀧のいない電気グルーヴなのであります。」
「瀧のいない電気グルーヴ、とな。それは捨て置けぬ。」
「安易にタランティーノ映画から無駄話パートを奪うのは、最も恥ずべき悪徳です。」
……「走れメロス」ごっこはさておき。
🔫ちさと&まひろが「美容院の予約どうする?」「次、どんな髪型にする?」と相談する下りが複数回挟まれます。
完全に余談ですが「殺し屋にとって一番美しい髪型は何か」について、私見を述べたいと思います。
殺し屋、ことに、徒手空拳で戦うスタイルの殺し屋にとって、ベストな髪型は何か。
それは、スキンヘッドです。三十歩ぐらい譲って短髪。
髪の毛を掴まれて顎に上手く一発入れられたら、屈強な男でも脳震盪を起こし、数分は動けなくなってしまいます。
まひろ(女性)が、かえで(男性)からダウンを奪ったのも顎への一撃です。
スキンヘッドは掴む髪の毛がないぶん、自分の頭部への間境(相手からの攻撃が届く距離)を遠く設定できるのです。
あたいが、ロック様とジェイソン・ステイサム大好きなのも、徒手空拳で戦う役柄を演じる上で「スキンヘッドが一番合理的だから」です。
これぞまさに機能美。
マイ・ラブ三島由紀夫先生は「恋の殺し屋が選んだ服」において
「私はあくまで黒い髪の女性を美しいと思う。洋服は髪の毛の色によって制約されるであろうが、女の黒い髪は最も派手な、華やかな色であるから、こうして黒い服を着た黒い髪の女は、世界中で一番派手な美しさと言えるだろう」
と綴っていますが、ワタクシはちさとちゃんが黒髪を靡かせる度に「ちさとちゃん、あなた、殺しの仕事をする時と、ご飯食べる時は髪の毛結びんしゃい」と言いたくなる老婆心を抑えながら見守っています。
和製「パルプ・フィクション」だと勝手に思っている「ベイビーわるきゅーれ」。大好きなシリーズです。
ローファイな無駄話パートと、容赦ないバイオレンス・アクションのメリハリが、まんま、タランティーノなのよ。
ベビわる、タランティーノに見せてあげたい。絶対好きだろ、ベビわる。
↓以下、公開中の最新作「ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ」の感想。
🔫個性豊かな新キャラが続々登場していて楽しい。
特筆すべきは冬村かえで。シリーズの主人公、殺し屋コンビのちさと&まひろが所属する組織とは競合関係にある殺し屋です。
冬村の人物造形が完成した時点で、ベビわる3作目は成功が約束された、とすら思う。
ひたすらストイックに殺しを遂行する純粋培養の殺し屋。殺し屋稼業を通じてしか他者と接点が保てない、クセのあるキャラを池松壮亮が好演しています。
🔫冬村が「殺しをした後、歯を磨いたり、果物を剥いたりしていると、自分が人間だってことを思い出せる」と吐露するシーン。
殺しばかりの毎日の中にあっても人間性を失いたくない。ちさと&まひろみたいに凡庸な日常を謳歌してみたかった。という切ない告白に聞こえますが。
一方で彼は、仕事がスムーズに運ばなかった際には「ターゲットを無駄に怖がらせてしまった。美しくない殺しだった」と反省しています。
「人間性を忘れ得ぬこと」が「美しい仕事をするために、市井の人間の感情の機微を少しでも理解したいから」だったらヤベー奴(プロフェッショナル)だよなぁ。
🔫冬村が仕事の記録と並行して「シチューを作った」と、日記に綴っているところが良かった。
「パルプ・フィクション」で一番好きなシーンと同じ匂いがする。
サミュエル・L・ジャクソンとジョン・トラボルタ演じる殺し屋二人が、ハンバーガーについて話す「ル・ビックマック」のシーンが、私は一番好き。サイコーにくだらなくて大好きなの。
だから、このル・ビックマックの下りが地上波放送でカットされていた時には、シズカは激怒した。必ず、某テレビ局の邪智暴虐を除かなければならぬと決意した。
シズカには放送規範がわからぬ。本編を削ってでもスポンサーのCMを挟まねばならぬ大人の事情がわからぬ。
シズカは、北の田舎の風俗嬢である。笛を吹き、猫と遊んで暮して来た。けれども洋画の地上波放送時のカット部分に対しては、人一倍に敏感であった。
「無闇なカットは物語の行間を殺します。」
「なぜ殺すのだ。」
「物語の本筋と関係ないから、という理由でカットするというのですが、本筋と関係のない無駄話こそが、タランティーノ映画のスパイス。
それをなくしては、山椒のない鰻重、刻みネギのない蕎麦、タルタルソースのない海老フライ、醤油のない卵かけご飯、瀧のいない電気グルーヴなのであります。」
「瀧のいない電気グルーヴ、とな。それは捨て置けぬ。」
「安易にタランティーノ映画から無駄話パートを奪うのは、最も恥ずべき悪徳です。」
……「走れメロス」ごっこはさておき。
🔫ちさと&まひろが「美容院の予約どうする?」「次、どんな髪型にする?」と相談する下りが複数回挟まれます。
完全に余談ですが「殺し屋にとって一番美しい髪型は何か」について、私見を述べたいと思います。
殺し屋、ことに、徒手空拳で戦うスタイルの殺し屋にとって、ベストな髪型は何か。
それは、スキンヘッドです。三十歩ぐらい譲って短髪。
髪の毛を掴まれて顎に上手く一発入れられたら、屈強な男でも脳震盪を起こし、数分は動けなくなってしまいます。
まひろ(女性)が、かえで(男性)からダウンを奪ったのも顎への一撃です。
スキンヘッドは掴む髪の毛がないぶん、自分の頭部への間境(相手からの攻撃が届く距離)を遠く設定できるのです。
あたいが、ロック様とジェイソン・ステイサム大好きなのも、徒手空拳で戦う役柄を演じる上で「スキンヘッドが一番合理的だから」です。
これぞまさに機能美。
マイ・ラブ三島由紀夫先生は「恋の殺し屋が選んだ服」において
「私はあくまで黒い髪の女性を美しいと思う。洋服は髪の毛の色によって制約されるであろうが、女の黒い髪は最も派手な、華やかな色であるから、こうして黒い服を着た黒い髪の女は、世界中で一番派手な美しさと言えるだろう」
と綴っていますが、ワタクシはちさとちゃんが黒髪を靡かせる度に「ちさとちゃん、あなた、殺しの仕事をする時と、ご飯食べる時は髪の毛結びんしゃい」と言いたくなる老婆心を抑えながら見守っています。