シズカンヌ映画祭 オールタイム ベスト10 表向き部門(5)
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こんばんは✨シズカです🎥
本日も一緒に過ごして下さった皆さん、ありがとうございました✨
お天気優れない中、出向いてくれて本当にありがとう😭✨
さて、間が空いてしまいましたが、シズカンヌ映画祭 表向き部門、発表の続きです。
🎥⑨「鑑定士と顔のない依頼人」
映画を社会現象レベルにヒットさせるためには「普段、映画を観る習慣のない客層をいかに映画館へと足を運ばせるか」が肝だと言います。
映画にも様々なジャンルがあるわけですが、そのジャンルに精通している玄人を唸らせるのが一流でしょうが、普段そのジャンルに興味を抱くことのない人間の意識を激変させるのも、一流にしか成せない技です。
「好みだから好き」と「元々の好みとは違うけど、好きになってしまった」
恋愛で言ったら、どちらが真実の愛と言えるでしょうか。
A級からZ級まで映画は全般好きなのですが、ワタクシにも鬼門がございまして。実は、ラブ・ストーリーが苦手です。
そんな私も思わず唸ったのが「鑑定士と顔のない依頼人」。元々、監督のジュゼッペ・トルナトーレが大好きで「上質な映画とは何かが知りたかったらトルナトーレを一通り見よ」と言っています。主演もジェフリー・ラッシュ様とくりゃあ、面白くないわけがありません。
まずは粗筋をば。美術品鑑定士のヴァージルは女性不信気味で、生身の女性を愛する代わりに女性の肖像画をコレクションしています。両親の遺品の鑑定を依頼してきた謎の女性クレアと、次第に惹かれ合うようになり……。
随所で、贋作がキーワードとして機能してくるのですが「人の心の真贋を問う」というのがテーマの作品だと思われます。
閑話休題。古代ギリシャでは、心臓に心が宿るとされており「愛情静脈」という血管が左薬指から出ていて、それが心臓に直結していると考えられていました。そのことから、愛情を司る指に指輪をする事で心変わりしない、させないための魔封じの習慣が生まれ、現代に伝わっているそうな。解剖学的には根拠のない話ですが、ロマンチックではあるよね。他者を寄せ付けず、女性に心を許さずに生きてきたヴァージルが、徐々に心を剥き出しにしてクレアと向き合っていく姿を見て、この話を思い出しました。
人を愛する気持ちにも真贋があるとするならば、真実の愛とは「裏切るなよ!裏切るなよ!私の期待を裏切るなよ!」「傷つかなくてすむルートを選ぶ」ではなくて「この人にだったら騙されてもいい。奪われてもいい。本当に自分を傷つけることができるのはこの人だけだ」と腹を括って、相手に心臓を預けること、ではなかろうか?と考えさせられました。恋愛の骨子の部分を見せられたような骨太のラブ・ストーリーです。
これね、下手なホラー映画より恐ろしい映画ですよ。
余談ですが、シズカンヌ映画祭 オールタイム ベスト10極私的部門として、ジェフリー・ラッシュ作品を一作入れるなら、マルキ・ド・サドを演じた「クイルズ」を選びます。
本日も一緒に過ごして下さった皆さん、ありがとうございました✨
お天気優れない中、出向いてくれて本当にありがとう😭✨
さて、間が空いてしまいましたが、シズカンヌ映画祭 表向き部門、発表の続きです。
🎥⑨「鑑定士と顔のない依頼人」
映画を社会現象レベルにヒットさせるためには「普段、映画を観る習慣のない客層をいかに映画館へと足を運ばせるか」が肝だと言います。
映画にも様々なジャンルがあるわけですが、そのジャンルに精通している玄人を唸らせるのが一流でしょうが、普段そのジャンルに興味を抱くことのない人間の意識を激変させるのも、一流にしか成せない技です。
「好みだから好き」と「元々の好みとは違うけど、好きになってしまった」
恋愛で言ったら、どちらが真実の愛と言えるでしょうか。
A級からZ級まで映画は全般好きなのですが、ワタクシにも鬼門がございまして。実は、ラブ・ストーリーが苦手です。
そんな私も思わず唸ったのが「鑑定士と顔のない依頼人」。元々、監督のジュゼッペ・トルナトーレが大好きで「上質な映画とは何かが知りたかったらトルナトーレを一通り見よ」と言っています。主演もジェフリー・ラッシュ様とくりゃあ、面白くないわけがありません。
まずは粗筋をば。美術品鑑定士のヴァージルは女性不信気味で、生身の女性を愛する代わりに女性の肖像画をコレクションしています。両親の遺品の鑑定を依頼してきた謎の女性クレアと、次第に惹かれ合うようになり……。
随所で、贋作がキーワードとして機能してくるのですが「人の心の真贋を問う」というのがテーマの作品だと思われます。
閑話休題。古代ギリシャでは、心臓に心が宿るとされており「愛情静脈」という血管が左薬指から出ていて、それが心臓に直結していると考えられていました。そのことから、愛情を司る指に指輪をする事で心変わりしない、させないための魔封じの習慣が生まれ、現代に伝わっているそうな。解剖学的には根拠のない話ですが、ロマンチックではあるよね。他者を寄せ付けず、女性に心を許さずに生きてきたヴァージルが、徐々に心を剥き出しにしてクレアと向き合っていく姿を見て、この話を思い出しました。
人を愛する気持ちにも真贋があるとするならば、真実の愛とは「裏切るなよ!裏切るなよ!私の期待を裏切るなよ!」「傷つかなくてすむルートを選ぶ」ではなくて「この人にだったら騙されてもいい。奪われてもいい。本当に自分を傷つけることができるのはこの人だけだ」と腹を括って、相手に心臓を預けること、ではなかろうか?と考えさせられました。恋愛の骨子の部分を見せられたような骨太のラブ・ストーリーです。
これね、下手なホラー映画より恐ろしい映画ですよ。
余談ですが、シズカンヌ映画祭 オールタイム ベスト10極私的部門として、ジェフリー・ラッシュ作品を一作入れるなら、マルキ・ド・サドを演じた「クイルズ」を選びます。