だって夏ですもの〜

窓の外は、昼の熱をほんのり残したまま、ゆるやかに夜の色へと変わっていきます。
湿った空気の中に混ざる、ほのかな夜風。
その風が首筋をなぞるたび、肌がひときわ敏感になるのを感じます。
昼間は人混みや雑事に追われても、夜は別世界。
静けさが深まるほど、心は解き放たれ、想いは少しずつ、甘く、熱くなっていくのです。
あなたと交わした何気ない会話や、ふとした仕草が頭の中でリフレインして、
それだけで胸の奥がじんわりと火照ってしまう。
…こんなに簡単に、あなたの影に惑わされてしまうなんて、ずるいですよね。
時計の針は21時。
ここからの時間は、まだまだ長い。
せっかくの夏の夜ですもの——
ゆっくりと、心の奥の奥まで、確かめ合いませんか?