青森・昼下がりの出会い
青森の昼は、思ったより明るい。
雪に反射する光がまぶしくて、
隠し事なんて似合わない時間帯なのに。
それでも――
出会ってしまった。
何気ない会話、
仕事の話、
笑ってしまうほど普通のやりとり。
なのに、
視線が合うたび、
お互いに「踏み込んではいけない」と
分かっている距離が、少しずつ縮まっていく。
昼間の車内は、
静かで、逃げ場がなくて、
何もしないはずなのに
心だけが触れてしまいそうになる。
触れない。
越えない。
それが分かっているからこそ、
息が詰まるほど近く感じる。
青森の昼は、
夜よりも残酷で、
夜よりも官能。
明るい時間に生まれたこの感情を、
私はきっと
誰にも言えないまま抱えていく。
――また会ったら、
同じ距離で、
同じ想いを隠しながら。

