木挽町のあだ討ち
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ミュンヒハウゼン男爵とかけまして、山伏と解きます。その心は、どちらも「ホラ(法螺)を吹く」でしょう。
こんばんは✨️満光亭しずか です🐚
本日も一緒に過ごして下さった皆さん、ありがとうございました😊
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※今から文章の中に一文だけ嘘を混じえようと思います。
読書習慣におけるマイルールの一つが
☝️一ヶ月に一冊は人情ものを読むこと
です。
先月読んだ人情もの枠「木挽町のあだ討ち」が、非常に素晴らしかった。
久しぶりに本を読んで泣きました。
途中から、涙で頁を濡らさぬよう、本を閉じ、閉じ、なんとか読了。
直木三十五賞と山本周五郎賞をW受賞、とのことですが、特に、山本周五郎賞にふさわしい作品だと感じました。
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⚠以下、ネタバレあり
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羽賀研二、三度目の逮捕のニュースを受けまして、改めて思ったのですが、自分は「人当たりが良い人間と、良い人間は違う。ヤバい人間性の奴ほど、人当たりだけは良い」と考えて生きています。羽賀研二はまさに、それだよなぁ。
そして「嘘をつくか、つかないか、で人間性の善し悪しは量れない。どんな嘘をつくか、にその人の人となりが滲む」と考えています。
人を笑わせるための嘘、人を喜ばせるための嘘。人を傷つけないための嘘、人に恥をかかせないための嘘。人を守るための嘘、人を助けるための嘘。
嘘が全て、人を害するために発せられるとは限らない。
嘘にどんな気持ちが込められているのか、嘘の芯にある本音は何なのか。見るべきはそこ。
「木挽町のあだ討ち」に洋楽ロック風のキャッチコピーをつけるなら
「『オリエント急行殺人事件』への日本からの回答ーー」と言ったところでしょうか。
ある目的のために、芝居小屋で働き暮らす木挽町の面々が、大掛かりな嘘をつくのですが、出てくる人々、皆それぞれに誰かに居場所を作ってもらった過去がある。
事実をほんの一寸ズラすだけで、寄る辺ない誰かが、浮世のどこかに身を寄せる場所ができるなら、それに越したことはない。
私が敬愛してやまない三島先生は
「本当にウソをつくには、お体裁を捨て、体当たりで人生にぶつからねばならず、つまり一種の桁外れの正直者でなければならないようです」(三島由紀夫「不道徳教育講座」)
と書いています。
木挽町の面々は、事実とは異なる絵図を描いて実行したことに間違いはないのですが、
「粋と人情を貫き通した」という点においては、筋の通った正直者であると言えます。
「この二人を、殺し、殺される間柄にしてなるものか」という気持ちに正直に行動したわけですから。
チャップリンは「人生に必要なもの。それは勇気と想像力、そして少しのお金だ」と言い残しています。私は人間が生きる上で大切なのは「粋と人情とユーモア」だと思っています。「木挽町のあだ討ち」は、その三つが詰まった傑作です。
視覚的なトリックが肝になる物語なので、この作品はぜひ、実写化してほしい。目で見て新たに楽しみたい。
🎬️以下、希望キャスティング↓
篠田金治→内野聖陽か豊川悦司
ほたる姐さん→塚地武雅(この人の演技はほんとに素晴らしい。ほたる姐さんの存在感を指して「そこにいるだけで物語が生まれる」と表すくだりがありますが、塚地さんはもう、立ってるだけで既にその人物のパーソナリティを醸し出してるんですよ)
阿吽の久蔵→大好き!石橋蓮司さまでお願いします!
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冒頭「今から文章の中に一文だけ嘘を混じえようと思います」と書きましたが、この一文こそが嘘でありました。それではお後がよろしいようで。
こんばんは✨️満光亭しずか です🐚
本日も一緒に過ごして下さった皆さん、ありがとうございました😊
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※今から文章の中に一文だけ嘘を混じえようと思います。
読書習慣におけるマイルールの一つが
☝️一ヶ月に一冊は人情ものを読むこと
です。
先月読んだ人情もの枠「木挽町のあだ討ち」が、非常に素晴らしかった。
久しぶりに本を読んで泣きました。
途中から、涙で頁を濡らさぬよう、本を閉じ、閉じ、なんとか読了。
直木三十五賞と山本周五郎賞をW受賞、とのことですが、特に、山本周五郎賞にふさわしい作品だと感じました。
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⚠以下、ネタバレあり
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羽賀研二、三度目の逮捕のニュースを受けまして、改めて思ったのですが、自分は「人当たりが良い人間と、良い人間は違う。ヤバい人間性の奴ほど、人当たりだけは良い」と考えて生きています。羽賀研二はまさに、それだよなぁ。
そして「嘘をつくか、つかないか、で人間性の善し悪しは量れない。どんな嘘をつくか、にその人の人となりが滲む」と考えています。
人を笑わせるための嘘、人を喜ばせるための嘘。人を傷つけないための嘘、人に恥をかかせないための嘘。人を守るための嘘、人を助けるための嘘。
嘘が全て、人を害するために発せられるとは限らない。
嘘にどんな気持ちが込められているのか、嘘の芯にある本音は何なのか。見るべきはそこ。
「木挽町のあだ討ち」に洋楽ロック風のキャッチコピーをつけるなら
「『オリエント急行殺人事件』への日本からの回答ーー」と言ったところでしょうか。
ある目的のために、芝居小屋で働き暮らす木挽町の面々が、大掛かりな嘘をつくのですが、出てくる人々、皆それぞれに誰かに居場所を作ってもらった過去がある。
事実をほんの一寸ズラすだけで、寄る辺ない誰かが、浮世のどこかに身を寄せる場所ができるなら、それに越したことはない。
私が敬愛してやまない三島先生は
「本当にウソをつくには、お体裁を捨て、体当たりで人生にぶつからねばならず、つまり一種の桁外れの正直者でなければならないようです」(三島由紀夫「不道徳教育講座」)
と書いています。
木挽町の面々は、事実とは異なる絵図を描いて実行したことに間違いはないのですが、
「粋と人情を貫き通した」という点においては、筋の通った正直者であると言えます。
「この二人を、殺し、殺される間柄にしてなるものか」という気持ちに正直に行動したわけですから。
チャップリンは「人生に必要なもの。それは勇気と想像力、そして少しのお金だ」と言い残しています。私は人間が生きる上で大切なのは「粋と人情とユーモア」だと思っています。「木挽町のあだ討ち」は、その三つが詰まった傑作です。
視覚的なトリックが肝になる物語なので、この作品はぜひ、実写化してほしい。目で見て新たに楽しみたい。
🎬️以下、希望キャスティング↓
篠田金治→内野聖陽か豊川悦司
ほたる姐さん→塚地武雅(この人の演技はほんとに素晴らしい。ほたる姐さんの存在感を指して「そこにいるだけで物語が生まれる」と表すくだりがありますが、塚地さんはもう、立ってるだけで既にその人物のパーソナリティを醸し出してるんですよ)
阿吽の久蔵→大好き!石橋蓮司さまでお願いします!
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冒頭「今から文章の中に一文だけ嘘を混じえようと思います」と書きましたが、この一文こそが嘘でありました。それではお後がよろしいようで。