
それ、間違ってます。

日本は今でこそ医療大国なんて云われていますが、そこに辿り着くまでには間違った医療が本気で効くと信じられてきました。
医療ではありませんが咳が止まらない時に首にネギ巻くのって効くんですか?地方により色んな民間療法ってありそうですね。
医療に戻りまして日本ではかつて精神疾患をもつ患者に脳の一部を切り取る手術が行われていた時がありました。当然危険です。
海外では瀉血(しゃけつ)が万病に効くとされていて、かの有名な作曲家、モーツァルトもこの瀉血で亡くなった可能性が高いと言われています。
瀉血とは身体から大量の血を抜く治療で、モーツァルトは原因不明の目眩や吐き気に悩まされていて救おうとした医師が瀉血を行います。
救おうとする気持ちがあっても間違った行為では病気は治りません。原因分かんないけど、取り敢えず血を大量に抜いちゃえって恐ろしいですよね。
体重が50kg前後の人で、体内にある血液はだいたい4リットルあると言われています。モーツァルトは「んじゃ、取り敢えず2リットルくらい抜いとく?」と体内の半分くらいの血をいきなり抜かれてしまいます。
基本的に体内の20%の血液が急になくなると出血性ショックを起こしてしまいます。
この瀉血は紀元前1500年にエジプト人が生み出したと言われています。そこに医学的根拠は存在しません。ただ血液中に混じっているウィルスを抜けば治るだろうと本気で信じられていたんです。
病気の全てがウィルスだけだと思うなよ。
それが段々と
失恋して苦しい→はい瀉血
交通事故で怪我→はい瀉血
となんだかもうおかしい。そんな中、どっかの誰かが患者が心不全起こすまで瀉血を続けろと言った本を出版します。
大量出血してる時こそ瀉血だ!ともう理屈もへったくれもありません。自殺行為です。
瀉血は医療の一環として現在も行われる事はありますが、医学の意識的向上した今ではほとんど行われることはりません。
現在ではインドのイスラム教やアラブの一部で行われる事はあるようです。
藤井りか