
昔々あるところに。

福島県にまつわる昔話って結構たくさんあるんですね。安寿と厨子王(あんじゅとずしおう)ってお話し分かりますが?
私はずっと福島県が霧台のお話しだと思っていたら京都や新潟など色々な地域が発祥だったんですね。福島県はいわき市が発祥となっています。それはそれは悲しいお話しなんです😢
さて、福島県にまつわる昔話といえば一番有名なのが「安達ケ原の鬼婆」じゃないですかね。
旅人を泊める時「私の寝室は決して覗いてはいけませんよ」と忠告したにも関わらずこっそり覗いてしまったある旅人は寝室に転がる死体と出刃包丁を研いでる鬼婆の姿を見てしまい慌てて逃げ出すもそれに気が付いた鬼婆に追いかけられるって話しですね。
実はこれには隠された悲しい伝説があるんです。
始まりは京都です。鬼婆は元々は優しい乳母だったんです。位の高いお屋敷の中で女の子の赤ちゃんをとても可愛がっていていました。しかし女の子は話す事が出来ない障がいを持っており、医者に診せるも治る事はないと言われていますしまいます。
なんとか治してやりたい乳母は占い師に相談します。すると占い師は妊婦の生き肝を食べさせれば治ると言います。それを聞いた乳母は妊婦の生き肝を探しに出かけますが妊婦の生き肝なんてそうそうある物ではありません。
乳母は福島県の二本松に流れ着き、そこに住み着いて妊婦の生き肝を探す事にしました。
ある時、ある夫婦が泊めて欲しいと乳母の元へやってきます。その時の嫁がなんと妊婦ではないですか。乳母はしめた!と思います。どうして殺してやろうか考えている時に妊婦は突然産気づきます。
なんてナイスなタイミングなんでしょう。
乳母は旦那に人を呼んで来るように話し外へ出します。これでやっと姫の病気を治してあげられる。。。と無残にも妊婦を殺し肝を手に入れます。
妊婦は死に際に「京から幼い時に別れた乳母を探しに来たのに。。。」と言って息を引き取ります。死んだ妊婦の手には自分が旅に出る時に姫に渡したお守りが握られていました。
なんと何がなんでも助けたかった姫を自分で手掛けてしまったのです。
驚きと悲しみのあまり乳母は鬼と化し旅人を泊めては殺し生き血を吸う安達ケ原の鬼婆となって恐れられるようになりました。
てね、あまりいい話しではありませんが鬼婆になるまでのお話しがあったんですね。
日本昔話って子どもの頃普通に読んでいましたが意外とホラーなお話しが多いんですよね。
藤井りか