静雪(せいせつ)の中で
外は静かに雪が降っていた。
白く冷たい世界とは反対に、胸の奥には、じんわりと熱が灯っている❤️
「こんな日に来てくれるなんて…」
そう思うだけで、自然と口元がゆるんだ。
コートを脱ぐと、ふわりと残る外気の冷たさ。
でも、その下には、ちゃんと“準備された私”がいる。
手が触れ合うたび、雪で冷えた指先が
私の体温を確かめるみたいに、少しずつ温度を上げていく。
その差が、妙にくすぐったくて、愛おしい。
言葉は多くなくていい。
視線と、息遣いと、近づく距離だけで
十分すぎるほど、伝わってしまうから。
「寒かったでしょう?」
その一言に、なぜか胸がきゅっとした。
体だけじゃなく、心まで包まれる感覚。
雪の日だからこそ、余計に濃く感じるぬくもり。
外はまだ、しんしんと雪。
でもこの部屋の中では、
ゆっくり、静かに、熱が溶け合っていく。
雪にも負けず、
今日も、あなたと──。

