総務のHさん 〜究極の選択〜
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今日も来てしまった……
給湯室の扉を前に、少しだけ躊躇する。なんで僕にだけHさんは誘惑をしてくるのか、それがわからないだけに尻込みする気持ちが抜けない。
けれど、扉の窓越しにぼんやりと彼女の姿が見えて……つい、扉を開けて中に入る。こうなったらもう、なるようになれだ。
『お疲れさまです』
ここだけなら何でもない日常の一コマ。ただの挨拶のやり取り。だけどHさんはスルスルとスカートをたくし上げて、僕にその白い内腿を晒す。
『これが見たかったんですよね?』
ごくり。自分の生唾を飲み込む音が、やけに大きく響いたようで恥ずかしかった。でも、今日という今日は……彼女の目的を知りたい。
『なんで……こんなことするんですか』
カラカラに乾いた喉からそう絞り出すと、Hさんは意外そうに目を瞬かせる。
『お嫌でした?』
『そ、そうじゃなくて! なんで僕にこういうことをするのかって話です!』
『……明日、フロアに残ってくれます?そしたら教えてあげます』
今度は給湯室じゃなくて、フロア。何が起こるか怖いような、どこか期待するような気持ちに苛まれる僕をよそに、Hさんは花のような残り香だけを置いて去っていった──
僕は…………
▷フロアに残る
定時で帰る
──to be continued──